楽器のいろいろ

音楽は、人々の心を揺さぶり、感動を呼び起こす力を持つ芸術のひとつです。その中でも、吹奏楽、オーケストラ、バンドといった多彩な音楽グループでは、さまざまな楽器が共鳴し合い、織りなす美しい調和が生まれます。楽器一つ一つが、まるで独自の言葉を持つかのように、個性的な音色を奏で、その音楽の世界を彩ります。

吹奏楽は、多種多様な管楽器と打楽器が組み合わさって、力強いリズムと華麗なメロディを奏でるスタイルを特徴としています。一方、オーケストラは、弦楽器、木管楽器、金管楽器、打楽器などが織りなす、壮大で豪華な音楽の舞台です。そしてバンドは、ロックやポップスなど、幅広いジャンルで活躍するため、電子楽器やエレキギターなども加わり、その音楽の幅を広げています。

それぞれの楽器は、時には個別に、時にはアンサンブルとして、まるで魔法のように聴衆を引き込む力を持っています。このコラムでは、吹奏楽、オーケストラ、バンドという異なる音楽グループで用いられる代表的な楽器に焦点を当て、その音色や特徴などを探求していきます。楽器それぞれの背後に広がるストーリーに触れることで、音楽の深い世界を垣間見てみましょう。

<吹奏楽・オーケストラで使われる楽器>

吹奏楽・オーケストラで使われる楽器って何?

そもそも吹奏楽とオーケストラの違いってなんだよってところからですが
吹奏楽は管楽器と打楽器
オーケストラは管楽器と打楽器に弦楽器がプラスされています。
世の中の楽器は多種多様民族楽器なんか入れたらどえらい種類がありますもんね・・・
今回は吹奏楽・オーケストラで使われている管楽器・弦楽器・打楽器の御紹介からスタートです

<吹奏楽・オーケストラで使われる管楽器>

管楽器は「木管楽器」と「金管楽器」に分かれます。音域によって細分化されているものもありますが、代表的なものをお伝えしたいと思います

木管楽器

木管楽器は、奏者の唇の振動によらない方法で発音する管楽器です。金属製であるフルートやサクソフォンも、その発音の方法から木管楽器に分類されています。

フルート

フルートは、その透明で清らかな音色で知られています。高音域での華やかさと、低音域での深みを持つこの楽器は、しばしばメロディアスな旋律を担当し、音楽に軽快な響きをもたらします。

楽器の発音は歌口で空気の渦を作り音を生成します。息を全て吹き込むことができないため、肺活量が必要です。外見は上品ですが、演奏時には腕を上げたまま保持する必要があるため、一定の体力が求められます。

クラリネット

クラリネットは、その幅広い音域と豊かな音色で、感情豊かな旋律や力強いリズムを演奏します。クラシックからジャズまで幅広いジャンルで重要な役割を果たし、情熱的な表現力を見せます。

マウスピースに装着されたシングルリードを振動させることで音を作ります。他のシングルリード楽器もそうですが、マウスピース、リード、リガチャー(マウスピースにリードを固定する金具)を変えることで、別の音色に変えることができます。

オーボエ

オーボエは、その優美で甘美な音色で知られています。しばしばソリストとして活躍し、抒情的な旋律を美しく奏でることで、聴衆の心を打つことがあります。

リードを2枚向い合せたダブルリードで、リードの調整や管理、音を出すのが難しい楽器です。また吹き込む管も細くそこに息を吹き込むだけでも大変です。ギネス認定の世界一難しい楽器の一つです。

サクソフォーン(サックス・サキソフォン・サクソフォン)

サクソフォーンは、そのダイナミックな音色とアグレッシブな表現力により、多彩な音楽スタイルで活躍します。

クラリネットと同様にシングルリードを使用し、マウスピースなどを変えて音色を調整できます。様々なジャンルの音楽で使用される特徴的な楽器です。

ファゴット

ファゴットは、その深い響きと独特の音楽性で知られています。低音域で重厚な旋律を奏でることが得意です。バスセクションで重要な役割を果たし、荘厳さや響きの深みを加えます。

オーボエと同様にダブルリードを使用し、その特有の音色を生み出します。楽器自体が大きいため、演奏するためには一定の身体的な要件が求められます。

金管楽器

金管楽器は奏者の唇の振動を音に変えています。マウスピースに当てた唇の振動を楽器に伝えて音を出します。

トランペット

トランペットは、その鮮やかな音色と力強いメロディで知られています。高音域で華やかなファンファーレや美しい旋律を奏でることができます。メロディラインを引き立て、楽曲にエネルギーと躍動感をもたらします。

金管楽器全般に共通する特性ですが、マウスピースを変えることで音色を調整することができます。見た目も華やかで、しばしばソロ演奏に起用されます。

トロンボーン

トロンボーンは、その滑らかな音程変化と温かな響きが特徴です。スライドを使って音を変えることができ、その柔軟性で幅広い音楽表現を行います。中音域で旋律やハーモニーを担当し、楽曲に深みと調和を加えます。

スライドの操作は正しいポジションを覚えるのが難しく、演奏技術の習得が要求されます。しかし、その分音の自由度が高いのが特徴です。

ホルン

ホルンは、その壮大な音色と広がりのある響きが特徴的な管楽器です。その豊かな音色で調和と深みをもたらします。しばしばオーケストラの中音域や高音域で旋律や和声を担当し、美しい響きで楽曲に感動と豊かさを加えます。音楽の高揚感や情緒的な表現を象徴し、サウンドを調和させる重要な役割を果たします。

ギネス認定世界一難しい楽器のもう一つ。ベルの中に入れている手の位置でピッチが変わったり、音域の広さや、管の長さからくる必要な息の量の多さなどがその原因です。

ユーフォニアム(ユーホニューム)

ユーフォニアムは、その優美な音色と表情豊かな演奏が特徴です。バランスの取れた音域としっとりとした響きを持ち、しばしば旋律や歌い物のパートを担当します。中音域で、穏やかな響きをもたらします。

アニメの影響で急にメジャーになった楽器。いつの間にか「ニューム」が「ニアム」になったが通称は「ユーホ」「ユーフォ」なのであまり変わらない。

チューバ

チューバは、その豊かな低音域と荘厳な響きが特徴です。大型の金属製管楽器で、低音部の支え役としてバンドやオーケストラで使用されます。重厚なハーモニーを奏でることが得意であり、楽曲に深みと迫力をもたらします。

金管楽器最大で高さ1m超え。このパートの担当が中学から高校までやっていた楽器。先輩に言われて第三希望で出したら、書いたのが自分しかいなかった。あまり人気がないのでレギュラーになるとか選抜に入るとかは他より簡単。マウスピースが大きいので音を出すだけなら他の金管楽器より簡単。基本的には裏方で支える仕事。ソロパートや目立つパートが当たることも少ないが、その分、来た時のプレッシャーがすごい。肺活量はあった方が楽ができるが、なくても使い方でカバーできる。

これらの楽器は、吹奏楽やオーケストラの音楽において、それぞれ独自の個性と音楽表現を提供し、作曲家の創作意図を効果的に伝える重要な役割を果たします。

おまけ:ほら貝は何楽器?

「唇の振動を使う」のが金管で、それ以外が木管の定義だと、ほら貝は「金管楽器」です。

民族楽器や自然楽器で分類されていることもあり、そっちの方がしっくりきます。ビール瓶を「ぽえー」って鳴らすのはこの定義だと木管楽器。たたけばいい音もするから打木管楽器ってところですかねぇ

<吹奏楽・オーケストラで使われる弦楽器・打楽器>

音楽の舞台には、楽器の魔法が息づいています。その中でも、弦楽器と打楽器は、吹奏楽やオーケストラにおいて重要な役割を果たし、音楽の奥深さを醸し出しています。弦楽器の優雅な旋律と、打楽器の力強いリズム。これから、その美しさと力強さに迫ってみましょう。

弦楽器

バイオリン

オケといえばバイオリン、クラシック音楽といえばバイオリン、というくらい名前の通った楽器
オケの演奏を取りまとめる、コンマス(コンサートマスター)も第一バイオリンのトップから選ばれることがほとんどバイオリン属に分類される弦楽器の中でもっとも高音域を出せる楽器

ビオラ

バイオリンよりも少し大きめで低めの音色が特徴
バイオリンに比べ音域を5度下げているため、低音を出す必要があり大きく厚めのある構造になっています。
人間の声にもっとも近い音域を持つといわれています。
弦はバイオリンよりも長く太く、弓は一般的に少し短く重くなります。

チェロ

オーケストラでの合奏にはなくてはならない弦楽器。
重奏の中では低音部を担当しています。座って演奏することが多い
ポップスやロックなどで用いられることもある注目すべき楽器

コントラバス

大型の弦楽器コントラバス4~5本の弦を持つ楽器でバスやベース、ウッドベースとも呼ばれる。

打楽器

ティンパニ

オーケストラの打楽器の中では花形の楽器
半円状の胴に皮を張り、その皮の張り具合をペダルで調整することで音程を変えられます。
小太鼓や大太鼓と比べ、はっきり音程のある有音程の打楽器です。
実際の演奏では、サイズが異なるものを2~4台ほど用いて奏者の周囲を囲うように配置して演奏します。
現在のティンパニのルーツはメソポタミア文明で使われていたリリスという楽器にあるといわれ、紀元前2000年くらいからあったそうです。

スネアドラム

スネアドラムは、浅めの胴の上下に「ヘッド」と呼ばれる皮が貼られた構造で、楽器底面に「スナッピー(響き線)」と呼ばれる細い金属線が貼られているのが特徴。
これにより、独特のざらついた音色を出すことができます。
また、「ストレーナー」と呼ばれるパーツを上げ下げすることで、スナッピーが底面に張り付いている状態とそうでない状態を切り替えることもができます。

バスドラム(グランカッサ)

筒状の胴の両面に皮を張り、その片面を叩く。

聞き馴染みでいうと、大太鼓、オーケストラ以外では野球の応援団がよくたたいているのがバスドラム たたくバチをかえたり、枠部分をたたくことによって、さまざまな音色が出せます。

シンバル

ここぞ!というところの1打のみ、といったイメージが強かったりしますが、オーケストラには欠かせない楽器。簡単そうで非常に難しい。
シンバルに似た楽器はユーラシア大陸全体で幅広く見られ、さまざまな名前で呼ばれています。
一枚だけをつるして演奏するサスペンドシンバルと、持ち手がついており2枚一組で使うクラッシュシンバルがあります。

おまけ:ピアノは弦楽器?打楽器? 

ピアノは、弦を響かせて音を出す楽器という意味では弦楽器的ですし、ハンマーが弦を叩いて鳴らすという面では打楽器的要素も備えています。

どちらにも属さず鍵盤楽器という括りで扱われることもあります

正解は・・・

打弦楽器らしいです

打弦楽器(だげんがっき)とは、弦を何らかの方法で叩いて発音させる楽器(弦楽器)の総称。弦の振動を響板や共鳴胴によって増幅する物もある。広義においてはピアノも打楽器の一部に含まれる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E

ですって。

<バンドで使われる楽器>

ギター

ロックの魂を奏でる。
おおまかに「エレクトリックギター」と「アコースティックギター」があります。
エレクトリックギターは、その歪んだ音色やパワフルなサウンドで、ロックやポップスなどの多くの音楽ジャンルで主要な役割を果たします。アンプと組み合わせて使用し、力強いリフやメロディを奏で、バンドの魂を表現します。
アコースティックギターは、ボディ部分が空洞になっていて、弦を弾くと空洞内で音が共鳴されて大きな音を出すことが出来ます。アンプを必要としないのでギター1本あればどこでも演奏で来て弾き語りに最適です。

ベースギター

リズムと深みを支える

ベースギターは、その低音域での深みとリズム感のある演奏で、バンドのリズムセクションを支えます。ドラムと共に一体となり、楽曲のグルーヴを形成し、音楽の土台を築きます。

ドラムセット

リズムの骨格を叩く

ドラムセットは、バンドのリズムの骨格を形成する重要な楽器です。バスドラム、スネアドラム、タムタム、シンバルなどの要素を組み合わせて演奏し、楽曲にダイナミクスとエネルギーを与えます。

キーボード

多彩な音色とハーモニーの表現

キーボードは、その多彩な音色とハーモニーの表現力で、バンドの音楽に深みを加えます。ピアノ音やオルガン音、シンセサイザー音などを演奏し、旋律や和声を担当します。

ホーンセクション(トランペット・トロンボーン・サックス)

力強い響きを添えて

ポップスやジャズなどビッグバンドの代表的なアンサンブル形態です。 力強い響きでバンドの音楽に迫力を加えます。トランペットやトロンボーンなどが、華やかな旋律やアクセントを提供し、バンドの音楽に豪快さと色彩をもたらします

バンドのメンバーは、それぞれの楽器で個性的な音楽表現を行い、全体として一体感のあるサウンドを創り出します。これらの楽器は、バンドのアイデンティティを形成し、聴衆に楽しいエンターテイメントを提供する役割を果たします。